VIOGRAPHYのライナーノーツ(2)

vio拙作『VIOGRAPHY』の今更なセルフライナーノーツその2です。
その1はこちら(試聴の都合上、別ウインドウで開きます)。

6曲目から書いてます。
*CDをお持ちでない方は以下の試聴を聴きながらでもお読みください。

イベリコ豚

エレキバイオリンによるカルテット編成のバンド曲です。
元々はアコギとのデュオ用に作ったのですが、アルバムに向けてバンドアレンジしてます。

オリジナルでサビ無しの曲を作ったのはこれが初めてかもしれないです。
テーマメロディがあってソロやブリッジがある、インストらしい曲。
Bメロのコード進行が結構好きです。ディミニッシュをうまくメロディに使えた感じ

エレキバイオリンはちょっと歪ませてたり空間系使う感じで、まあそんなに色は付けてません。
演奏自体も割と僕っぽい感じでまとめてます。
とはいえオリジナルでエレキ歪ませたり半音で和音ぶつけたりっていうのは、
当時やったことなかったのでそういう意味では新しいかも。
今だと普通にやってますけど。

仮タイトルはパエリア。
仮というか、ギターデュオ用に作った音源を聴き返した時、
なんとなくスペイン感ある気がしたので、パエリアに決定。
で、データをメンバーに送る際にパエリアのスペルを調べようと
Wikipediaのパエリア項を見てたら、いつの間にかイベリコ豚を見ていたということで、
イベリコ豚に変更して今に至ります。

動画はギターデュオで演奏したイベリコ豚。
アドリブとかまだ弾き慣れてない感じが初々しい。

最近は居酒屋メニューなどでイベリコ豚の文字を見るたびに「おっ」と思います。
これを読んでる人も半分くらいはそういう症状になってる気がします。

サクラジオ

かなり昔に作ったデモ曲をバンド編成にリアレンジした曲です。
デモ曲ではエレクトロっぽい感じの曲でしたが、コード進行などいじって
かなり和風フュージョンといった趣になってます。

めずらしく2本のバイオリン(エレキ)を重ねてユニゾンしてます。
片側はワウ半踏みの二胡的な音、もう一方はやや歪んだ音に。
演奏も曲アレンジも最も僕っぽい仕上がりになってると思います。
シンセストリングスとオルガンのユニゾンが地味に結構気に入ってます。
間奏の転調もフュージョンっぽい気がしていて、うまいこと収まった気がしますね。

タイトルはデモ曲の仮タイトル『作りかけのラジオ』とファイル名『sakura.wav』から。
作りかけのラジオ、っていうのは単に作りかけだったのを
壊れかけのRadioと掛けただけ、だと思います。忘れました。

Straw Hat

まったりしたバラード的な曲。
ベースレスのバイオリン、ピアノ、チェロ、ドラム構成です。
昔作った曲のリミックスではなく打ち直してアレンジを若干変えてます。

この曲は割と元の印象が強いので、それを活かした方向でのアレンジに。
この曲のみバイオリンがセンターではなく、あくまでアンサンブルの一員として
若干左に寄ってます(チェロは右で、ピアノがセンター)。
たまに聴くと当時を思い出してしみじみとなる、
僕の中では貴重な存在のオリジナルなので、今回収録に至りました。

タイトルは海岸線をイメージして夏に作ったから。
そのまんま麦わら帽子ですね。
少し曇った海岸線を歩きながら麦わら帽子が風に飛ばされたり、みたいな情景です。
めずらしく美しい景色を描いてます。なんかすいません。

Beltene

多分僕のことを知ってる人は
これこそ僕、みたいな感じのイメージになってる気がする曲です。

この曲を作った時(2004年)はDTM作品にバイオリンを重ねる人もあまりいなかったし、
こういうテイストの曲を作る人もほとんどいなかった(少なくとも僕の記憶では)ので
たぶん珍しかったんだろうなあと思います。
動画にも使っていただいたりして結構な人に聴いてもらってました。

そんな曲のリメイクです。
2004年の発表後、ライブ向けにリメイクしたものがあったので、そちらをベースにしてます。
ブリッジを少しメロディアスに盛り上がるようにして、最後にソロがちょっと入ってます。
違うメンバーで何度かライブもやったことがあったりします。

やまもさん主催のNostalgiaコンサートでのセルフアレンジ。
動画が見当たらないので本番じゃなくリハ音源です。

Belteneというタイトルは、割と適当で
ケルトっぽい曲ができたなあと思ってアイルランド語辞書みたいなのを引いて
良さそうな言葉を選んでます。Beltaneとも書くみたい。
読み方は僕もよくわかりません。
作った時はベルテーンって読んでたけど、最近はベルテネって読んだりします。

たぶん同じ語源だと思うんだけど
海外にBeltaineっていうカッコイイケルティックバンドもあります。
オススメです。

目箒の菜の精

めずらしくオケ楽器を使ったバラード。
いかにもエンディングという感じの雰囲気にしながらも、
この曲で終えてからアルバム一曲目に戻った時にもスムーズに繋がる感じを意識しました。

オケ楽器を使ってるものの、コンチェルト的な感じではなく
バンド+オケっていうスタイルにしています。
普通のオケだったら最後のサビでオケがドーンと鳴っちゃうとバイオリンはかき消えますね…。
その辺は電気的な増幅ありきのバンドサウンドと思ってください。

オケパートもあんまりオーケストレーションは意識せず、
鍵盤で仮に弾いたトラックを採用したりしてます。
あくまで雰囲気重視。
そんなわけで、割と直感的に組んだオケパートですが、
Aメロのクラリネットとかは落ち着きがあって気に入ってます。
クラリネットって良いよね。

曲名は、まあ一応意味はあるんですが
特に明記しません。いろいろ想像してみてください。
意味をもたせていますが、表面的な響きとしても曲の雰囲気に合ってる気がしてます。

最後に

以上で簡単ですがセルフライナーノーツとさせていただきます。
買っていただいた方はありがとうございました。
まだの方はmp3配信などをお待ち頂ければと思います。

また余裕があればアルバム作りたいな。
いくつか案はあるので脳内から曲をそのまま絞り出せるDAWが欲しいです。