めちゃくちゃ久しぶりに目的もなく曲を作りました。
とくにライブで演奏するためとかそういうわけでもなく、ただただ作る。
まあ目的の有無によらず久しぶりの制作だったので、
自己満足のためにふわっと「こういうところ工夫したよ」的な話をここで語らせてください(趣味DTMerの戯言なので話半分でOKです)。
コンセプト
まあ作りはじめのきっかけは実は2時間DTMのお題で「別れの曲」だったんですけど、作ってみたら結構好きな感じだったので、やっつけにせずちゃんと作ることにしました。
「お題:別れ」といっても永遠のお別れじゃなく、また明日会いましょう的な感じ。
なんとなくサクナヒメのエンドスタッフロールの感じが頭の映像にあったので、牧歌的で和風な少し切ない感じになってます。
構成
おなじみAメロBメロサビの構成です。Aメロはシンプルに、Bメロをコードでフックを作ってサビは王道、みたいな感じになってます。
Aメロは4小節目のお尻でちょっとグイっとくる感じにしてます。B♭→A→Dmのところ。バッキングはシンプルに、バイオリンはちょっとフィドルっぽい感じのフレーズで動くことで、夕焼けの中を歩いている感じをイメージしてます。
BメロはいきなりVmから始めて転調っぽい雰囲気を出して「おやっ?」とさせつつ、2巡目のE♭がきそうなところでE♭mに。さらに怪しいコード(A(♭5))からC7に繋いで元の調に行って、トドメにまたB♭→AでグイッとサビのDmに持ち上げます。
Cm > F7+9 > B♭M7 > E♭M7+9 > Em7♭5 > Dm > G7 > C
Cm > F7+9 > B♭M7 > E♭m7+9 > A(♭5) > C7 > B♭ > A
ここのBメロのメロディはちょっと音頭というか民謡っぽい感じですね。
サビは一変して普通のJ-Popコードですね。そのかわりメロディの息継ぎを独特にすることで平坦さを解消したつもり。ここでもメロディのフレーズはちょっとだけ民謡っぽさを意識しています。
[追記] これ、言われて気づいたんだけど2小節分風の憧憬だったな。。。入りが似てるのは自覚してたけど2小節目まんまでしたね。うーん。[追記2] 自分でも似ているなと思ったので修正しました。そのへんの記事も書いてみました。
ブリッジはなんとなく浮遊感ある感じを適当な転調で繋いでます。これはホントにふわふわ感出すために、なんとなく手癖で弾いたピアノそのまんまなので、音楽的な意図はあんまりないです。ホントはここもストリングスセクションを録っていたんだけど、ちょっと味が濃すぎたので使うの止めました。
バイオリン
今回はあんまりバイオリンインストっぽさを出さず、でもそれなりに弾く、をテーマにしてます。
2時間DTMやライブ用楽曲だとバイオリンメインになっちゃうので、もうちょっと曲として出すところと引っ込むところをわきまえよう、と。
サビだけ5弦バイオリンでオクターブ下をうっすら重ねてますが、ほかはアコースティックです。締めのソロも今回はエレアコではなく純アコにエフェクト掛けてます。
録りとMixは割とシンプルに。
やはり決め手はVoosteqのMaterial Compかな。
元々録りで変なピーク回避のためにうっすらRNC1773を掛けてるので、それ以上のコンプは無くても良いんだけど、全体の混ざりを考えた時に少しだけ潰して均した感があったほうが良くて。
Material Compはどう掛けても気持ち良いので、純粋に曲に合う程度を狙って掛けられる感覚があります。
あとはUVI Shadeが個人的に好きなかかり方するEQなのでメインで使ってます。
モジュレーション系EQとしてゴリゴリ使う系のEQですが、普通のEQとしてもスッキリ掛かる感じ。Pro Q3より好きな質感かな
ギター
ギターはテクノロジーのおかげでなんとか録れている感じなので、あんまり「ギターも弾いてます!」とは言いづらい仕上がりですが。
Aメロはちょっとスピッツ味のある、歌う感じのアルペジオですね。河原の道を自転車で走る君を追いかけそうなエモさがちょっと出たかなと。
Bメロでは一変してUnivibeを掛けた浮遊感ある音でコードをしっかり固めてます。
そのままサビはカッティングで。もうちょい巧ければカッコよいと思うんだけど、トップノートで歌う感じのこのフレーズ、良くないですかね?ぼくはお気に入りです。
エフェクトとアンシミュは全部Amplitube5で。手持ちのシミュで一番歪みの塩梅がちょうど良かったです。
Mixは割とシンプルですが、コード楽器系のPanはGoodhertzのPanpotを使ってます。
定位がぐっと横に行く感じではなくサウンド全体が円運動で移動する感じなので、奥行き感がちょうど良いんですよね。
PianoとかのPanも取りやすいです。
ピアノ
ピアノはPianoteq7を使ってます。ちょっと前まではVI Labsの音源を使ってたんですが、Pianoteq6→7でめちゃくちゃ良くなったので再びPianoteq推しに変わってます。
Aメロはかなりシンプルに弾いた分、Bメロはコードでグイッと攻める感じ。
サビはいつものぼくのピアノです。
MixはというとMaterial Compで少しコンプ感を出したPianoにしてます。
ベース
ベースはいつものMODO Bassで、グルーブ感を意識したフレーズにしました。
Aメロはロングトーンとオブリでポップな感じに。
Bメロは1拍目を休符にして、リズムに変化を出しました。完全な休符ではなく、前の小節の音をグリスすることでグルーブ感をちょっと演出。サビ前の4小節なんかもけっこうおもしろいグイグイ感かなと思ってます。
サビではまた違ったグルーブを作る感じの歯切れのよいフレーズにしてあります。
ニュアンス確認のため、ギターを弾きながらスライドの入れ方やミュートのタイミングを決めてたんだけど、
それならもはやベース買って弾いたほうが良いんじゃないかという気がしてます。
MixのポイントはL1を使ってるところでしょうか。
最近マスターで低音が暴れ気味なのでL1で飛び出すローを抑えつつ音量感を確保しようという使い方。
なんかエンジニアの人が「L1をトラックに使うなんて!」みたいなことを言っているのを見たことがあった気がしますが、個人的にはL1をトラックに使うの、アリだなーと思ってます(昔も一時期使ってました)。
トラックの場合だとL2よりもクセのあるL1のほうがなんとなくしっくりくる。
ドラム
これもメインはいつものSuperior Drums3です。そこにXOやAddictive Drumsを4パートくらいエレドラ的に足してます。
元々はもっとエレドラ的にするつもりでDrum Designerなどで組んでたんだけど、
やっぱりちょっと生ドラムのヒップホップっぽい感じのほうが合うかなーと思い直し、SD3で作り直しました。XOなどはその名残ですね。
ドラムは割とシンプルなフレーズにしつつ、バタバタっとした感じにしたかったので、ランダマイズでタイミングだけちょっと揺らしました。
Mixも結構シンプルでMaterial Comp様様です。KickはBassと同じくL1で潰してます。
Drumsのバスコンプは敢えてMaterial Compを使わずIKのMuエミュです。このぴしっとした掛かり方が結構好きなので。
その他
いろいろシンセとか散りばめてますがほぼ全てUVI Falconですね。Falcon大好き。
尺八はWorld Suiteのやつを使ってます。いわゆる総合音源の尺八なのに結構ぽい感じに簡単に打ち込めるのが良いですね。
その他シンセパートもFalconの内部に入って細かくエディットしたりしてます。Shadeでウネウネ動かしたりもしてます。
Shadeも大好き。
サビで鳴るFMベルサウンドはNIのFM8です。Falcon攻めすると結構CPUが死にそうだったのでここでNIを。
マスタリング
最近大好きなIKのEQ Match。あんまりEQ臭くなくリファレンスのF特に合わせてくれるので、これを最初に使ってゆるく補正します。
GullfossとSculptorはうっすら補正味付け。自動化最高。
で、IKのOne。一個でマスタリングできちゃいます系プラグインなんだけど、トランジェントや低域をいい感じに味付けするのにめちゃくちゃ良くて、そこのセクションだけ使ってます。
最後はおなじみFG-Xです。これも音圧上げというよりトランジェントをいい塩梅にするために使う感じですね。この手の曲だとFG-Xがなんとなくしっくりくる気がする。
ちなみにZynaptiqのINTENSITYも最初使ってたんだけど、これはやっぱりマスターに使うものじゃないなあとあらためて実感。
どれだけうっすらかけてもハイハットのエッジが滲んじゃってタイトさが失われちゃう感じがする。小さい音を大きく聴こえるようにする、というのが悪く出ちゃった気がする。
ジャンルにも依りそうだけども。
よかったら聴いてみてね
Twitterで公開したところ、ほとんど聴かれてないっぽかったので、
「そんなにつまんない曲かな」と思ったりもしたけど、個人的には好きな曲なんですよね。いい曲だ!
よかったら聴いてみてください。
つぎはSkeb依頼の曲を作ろうと思います。
そうそう、Skeb始めたので気になったらよろしくお願いします。